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2023.8.25

急増する解体足場にチャレンジ!安全性を高める仮囲いとは?


これまでの日本では建設ラッシュのように数多くの住宅や建築物が建設されてきましたが、現在は、解体ラッシュが訪れているといえるかもしれません。

かつて建てられた建物の老朽化や、超高齢化社会による空き家の増加で、建設だけでなく解体も大事な仕事になっています。今回は、解体工事に必要な足場や解体足場に使う仮囲いなどについて解説します。

解体足場の需要が増大中

かつての急激な経済成長によって、1960年代ごろから高層ビルやマンション、住宅から公共インフラの建設が急増し、その後も続く建設ブームが起こりました。しかし、現在においては、建設から50年以上の歳月が経過した建物の数が急速に増加し、その老朽化の進行などから、解体や建て替えのための解体工事の需要が年々増加している状況です。

2018年に行われた総務省の住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家の総数は846万戸です。総住宅数6242万戸のうち、空き家が占める割合は13.6%にも昇ります。高齢化や人口減少がさらに進むため、その割合がさらに増加することが予想されています。

空き家が増加するということは、解体の需要も増えていきます。解体足場の必要性が高まる今、足場の仕事自体もますます需要が高まっていくことでしょう。

解体足場と仮囲い

解体作業においては、「仮囲い」が必要になる例も多いです。仮囲いとは、解体工事現場の周囲を仮で囲う囲いのことをいいます。

解体作業において使用される仮囲いの基準、仮囲いの種類などについて紹介します。

設置が必要な建築物の基準

仮囲いの設置が必要な建築物の基準は、建築基準法施行令により、「木造で高さが13メートルもしくは軒の高さが9メートルを超える建物、または木造以外で2階以上の建物」の工事と決められています。仮囲いが必要かどうかは「建物自体の高さ・軒高・構造と階層」という3つの基準によって異なります。

囲いが必要な建物の例としては、高層ビルやマンション、RC構造の2階建てアパート、省エネ設計の3階建て住宅、学校、病院などの大規模な施設が挙げられます。

仮囲いの高さの基準は、1.8メートル以上です。よって、通常「2〜4メートル」の囲いが使用されることが多いです。ただし、イベントなど他の用途でも使用される場合には、基準よりも低いこともあります。

解体足場の仮囲いの種類には、用途に適したさまざまなものがあります。具体的には、建設現場において、対象となる構造物と周囲を仕切るために設置される一時的な壁のことを指します。これにより、周囲の人々や物品を保護する役割を果たします。一部の工事現場では、道路使用許可を取得し、仮囲いを設置する場合もあります。

さて、仮囲いには、どのような種類があるのでしょうか。主なものをいくつか紹介します。

防炎シート 耐火性・難燃性のある塩化ビニル製やポリエチレン製のシート

万能鋼板 安全鋼板とも呼ぶ仮囲いに使う鉄板で、耐久性に優れています。

フラットパネル フラットパネルは、安全鋼板と同じく仮設工事や重機を搬入する現場を一時的に囲うものです。「アドフラットパネル」と呼ばれる周辺環境に調和する仮囲いも増えています。

パネルゲート 幅45cmほどの板状のパネルを連続してハンガーレールで吊り、屏風のように折りたたんで開閉できるようにした工事現場出入口に設けた仮設用扉。

解体に仮囲いを設けるメリットとは

仮囲いの大きなメリットは、作業の安全を保てることです。

仮囲いが必要にもかかわらず、設置されていない解体工事現場では、通行人が誤って工事中のエリアに侵入し、重機と衝突してしまう事故のリスクも考えられます。

解体工事では作業員が誤って工具を落としてしまったり、重機で解体中にコンクリート片が落ちてきてしまったりと、危険な状況が多々あります。仮囲いがない場合、外部から簡単に現場に侵入でき、作業時間外に盗難被害が発生する可能性も考えられます。

仮囲いを設置することで、工事中の危険な事故や盗難などのリスクを低減できるメリットがあります。

また、仮囲いには近隣トラブルを予防する役割もあります。

頑丈なRC構造の建物の解体に際しては、騒音が大きな問題となることもあり、作業によって発生する粉塵やホコリも大量です。このため、防音性のある仮囲いを設けない解体工事では、騒音や粉塵に起因する苦情がしばしば寄せられます。

仮囲いは音や粉塵が外部に漏れるのを防ぎ、周囲とのトラブルを回避するためにも、重要な役割を果たします。

まとめ

今回は、今後ますますの増加が見込まれる解体足場について紹介しました。解体足場に仮囲いを使用することで、さらに危険を減らし、安全に配慮することができるのですね。
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